起 原文
反己者 觸事皆成薬石
尤人者 動念即是戈矛
一以闢衆善之路 一以濬諸悪之源
相去霄壤矣
己れを反みる者は、事に触れて皆薬石と成る
人を尤むる者は、念を動かせば即ち是れ戈矛なり
一を以って衆善の路を闢き、一を以って諸悪の源を濬くす
相去ること霄壤なり
反(かえり)みる、反省する;尤(とが)むる、咎める;戈矛(かほう)、戈(くわ)は枝のある鉾、矛(ほう)は柄の長い鉾、共に人を殺傷する兵器;濬(ふか)く、深く;霄壤(しょうじょう)、霄は天、壤は地、天と地ほどの違い
承 意訳
自分を反省する者は、どんな事象であっても皆自分を成長させる薬をなります
一方で、誰かの責任にしたがる者は、何かを考える度に自分や他人を傷つける凶器となります
前者は一つの事柄が良い方向に道を開きますが、後者は一つの事柄が悪の道を深くしてしまいます
雲泥の差です
転 別視点
謙虚に自分を反省する心があれば、経験とともに人格は成長し、立派な人物になりますが、悪いことがあるとすぎに他人の責任にしてしまうような人は経験が積み重なるとだんだんと悪い人格に育ってしまいます。
小さな子供の悪い点は、底が浅いですが、壮年~老年の悪は底が深いというのは、その通りです。
一方で、子供の善はちょっとしたきっかけですが、壮年~老年の善は人格からにじみ出た善を実感することがあります。
結 まとめ
徳を積むためには謙虚に自分を反省する姿勢が重要です。