起 原文
當與人同過 不當與人同㓛
同㓛則相忌
可與人共患難 不可與人共安樂
安樂則相仇
当に人と過ちを同じくすべし 当に人と功を同じくすべからず
功を同じくすれば、則ち相忌む
人と患難を共ともにすべし 人と安楽を共にすべからず
安楽なれば、則ち相仇す
承 意訳
他人と失敗は共有した方が良いが、成功は共有しない方が良い
成功は共有すれば、相手が嫌になってしまいます
他人と苦労を分かち合うのは良いが、安楽を共にするのは良くない
安楽を共に過ごすと、相手の仇となります
転 別視点
言葉の響きが似ている諺として、「結婚は悲しみを半分に、喜びを二倍に」という英国の諺があります。仲の良い夫婦は、苦労を分かち合うことでその苦労を半分に感じることができるし、喜びは倍に感じることができるという意味です。
この段落は、ニュアンスが異なります。夫婦は運命共同体という要素もあるので、相手の苦労、喜びは実質自分の苦労や喜びに直結するのでこのように感じるのだと考えられます。
この段落に真意は、「他人の不幸は蜜の味」が近い印象です。不幸は共有しても相手は暖かい気持ちで受け入れることができますが、幸福は嫉妬を生むだけです。
結 まとめ
失敗や苦労は周囲と共感することができるが、自分の成功や安楽は周囲に披露すると嫉妬を生むだけです。自分の幸福は静かに満喫しましょう。