起 原文
覺人之詐 不形於言
受人之侮 不動於色
此中有無窮意味 亦有無窮受用
人の詐りを覚りて、言に形はさず
人の侮りを受けて、色に動かさず
この中に、無窮の意味有り、また無窮の受用有り
無窮(むきゅう)、言葉に言い尽くしがたいほどの意味; 受用、活用、受け入れて味わい楽しむこと
承 意訳
人が騙そうとしていることに気づいても、すぐに言葉に出して咎めない
人から侮辱されることがあっても、顔色一つ変えない
そのような中に限りない奥ゆかしさがあり、限りない効力が存在します
転 別視点
何か悪いことをしたときに、他人から指摘されて気づくときよりは、自分で自然と気づいたときでは、後者の方が後々まで心に残ります。相手に対して大きな反省を促すためには、それとなくほのめかして、自分で自分の過ちに気づくようにすることを推奨していると考えられます。
言葉に出して相手を辱めた場合は、逆効果のことが多いし、自分に対する悪意を生むことさえあります。人間関係は難しいです。
傍若無人で、価値観が異なる人にどのように対応するのかということになりますが、この場合は相手が気づくことはないのかもしれません。もしそれほど価値観が異なる場合は対立するのは時間の無駄で、「距離を置く」ことが賢明と思われます。
結 まとめ
相手に落ち度があったとしても、ムキにならず、相手がそのことに気づくようにほのめかします。