起 原文
毋因群疑而阻獨見
毋任己意而癈人言
毋私小惠而傷大體
毋借公論以快私情
群疑に因って獨見を阻むることなかれ
己の意に任せて人言を廃することなかれ
小恵を私して大體をやぶることなかれ
公論を借りて以て私情を快くすることなかれ
大體(だいたい)、大切なところ、重要な道理
承 意訳
周囲の多くの人が疑っているといえども、そのことによって自分が信じる見解を変えることがあってはいけません(自分の考えを持って、周囲に流されないように)
自分の意見を貫くことに徹して、他人の意見を無視するようなことはいけません
自分に対する少しばかりの恩恵のために、本当に重要なことを軽視してはいけません
大衆の人気を得て自己満足に浸ってはいけません
転 別視点
周囲の意見を聞きながらも、自分の考えを持ち、目の前のことよりも大局を鑑みる姿勢の重要性を説いています。
「言うは易く、行うは難し」と感じる段落です。そのような人物になれば、理想的な社会人・指導者と言えますが、どの項目も完全に実行するのは難しいです。
しかしながら、そうありたいという心がけだけでも持ち合わせると、人間は成長できると思いました。自分もいつまでも成長し続けたいと考えております。
結 まとめ
自己を確立し、柔軟性を持ち、私情を挟まずに大局を見る姿勢が重要です。