起 原文
徳者才之主 才者徳之奴
有才無徳 如家無主而奴用事矣
幾何不魍魎猖狂
徳は才の主 才は徳の奴
才あって徳なきは 家に主なくして奴事を用いるが如し
幾何が魍魎にして猖狂せざらん
魍魎(もうりょう)、水の神。山や川に住む化け物;猖狂(しょうきょう)、たけりくるうこと。常軌を逸した行為をすること
承 意訳
人徳は才能に上位に位置するもので、才能は人徳のための使用人に過ぎません
才能があっても人徳がない場合は、主が不在に家の中で使用人が好き勝手するようなものです
管理するものがないのだから、化け物が好き放題するようなものです
転 別視点
人間における人徳は、その人の価値観を決定するもので極めて重要です
一方で才能は、その人間がなにかを実行するに当たり、その効率を左右するものに過ぎず、その人間の価値を決定するものではありません
ベクトルで表現すれば、徳は方向性を決定し、才能はベクトルの長さを決定するようなものです
だからこそ、人間はいろいろと才能を伸ばすことに尽力する前に、”徳を磨くこと”に重点を置くべきなのかもしれません
結 まとめ
人徳は才能よりも上位に位置します。生きるにあたっては、才能よりも人徳に重点を置くべきです。