前集139 人徳は才能よりも上位に位置 ⇒ 徳を磨くことに重点をおく

前集121-140

起 原文

徳者才之主 才者徳之奴
有才無徳 如家無主而奴用事矣
幾何不魍魎猖狂

徳は才の主 才は徳の奴
才あって徳なきは 家に主なくして奴事を用いるが如し
幾何が魍魎にして猖狂せざらん

魍魎(もうりょう)、水の神。山や川に住む化け物;猖狂(しょうきょう)、たけりくるうこと。常軌を逸した行為をすること

承 意訳

人徳は才能に上位に位置するもので、才能は人徳のための使用人に過ぎません

才能があっても人徳がない場合は、主が不在に家の中で使用人が好き勝手するようなものです

管理するものがないのだから、化け物が好き放題するようなものです

転 別視点

人間における人徳は、その人の価値観を決定するもので極めて重要です

一方で才能は、その人間がなにかを実行するに当たり、その効率を左右するものに過ぎず、その人間の価値を決定するものではありません

ベクトルで表現すれば、徳は方向性を決定し、才能はベクトルの長さを決定するようなものです

だからこそ、人間はいろいろと才能を伸ばすことに尽力する前に、”徳を磨くこと”に重点を置くべきなのかもしれません

結 まとめ

人徳は才能よりも上位に位置します。生きるにあたっては、才能よりも人徳に重点を置くべきです。

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