起 原文
善人未能急親 不宜預揚
恐来讒譛之奸
悪人未能輕去 不宜先發
恐招媒蘗之禍
善人未だ急に親しむこと能はざれば、宜しく予め揚ぐべからず
恐らくは讒譛の奸を来さん
悪人未だ軽々しく去る能わざれば、宜しく先ず発すべからず
恐らくは媒蘗の禍を招かん
讒譛(ざんしん)、そしること、誹謗中傷;媒蘗(ばいけつ)、媒は酒のもと、蘗は物事の醸成、構成。中立ちとひこばえ。
承 意訳
性格が善くて親密になりたいと思う人がいても、親密になる前にその人は素晴らしいと褒めるものではありません
周囲の誰かから誹りを受け、悪口を言われる羽目になります
悪人が居たとしても簡単に距離を置くことができないときは、悪事を働く前に距離を置かないようにします
そうしないとその人から思わぬ被害を受けることになります
転 別視点
先入観もしくは周囲からの噂のみで、自分の行動を決定するのは良くありません。必ず自分に対して行われた善もしくは悪を理解してから、その人の判断をします。
先入観で判断した場合は、善でも悪でも、思わぬ被害を被ることがあります。
急がば回れ、という諺があります。急いで物事をなしとげようとするときは、危険を含む近道を行くよりも、安全確実な遠回りを行くほうがかえって得策だということです。先走る気持ちをこらえながら、機が熟してから物事を運ぶことが重要です。
結 まとめ
先入観もしくは周囲からの噂で、自分の行動を決定するのは良くありません。必ず自分の経験に基づいて判断します。