前集131 先入観や周囲の噂で、自分の行動を決定してはいけない

前集121-140

起 原文

善人未能急親 不宜預揚
恐来讒譛之奸
悪人未能輕去 不宜先發
恐招媒蘗之禍

善人未だ急に親しむこと能はざれば、宜しく予め揚ぐべからず
恐らくは讒譛の奸を来さん
悪人未だ軽々しく去る能わざれば、宜しく先ず発すべからず
恐らくは媒蘗の禍を招かん

讒譛(ざんしん)、そしること、誹謗中傷;媒蘗(ばいけつ)、媒は酒のもと、蘗は物事の醸成、構成。中立ちとひこばえ。

承 意訳

性格が善くて親密になりたいと思う人がいても、親密になる前にその人は素晴らしいと褒めるものではありません

周囲の誰かから誹りを受け、悪口を言われる羽目になります

悪人が居たとしても簡単に距離を置くことができないときは、悪事を働く前に距離を置かないようにします

そうしないとその人から思わぬ被害を受けることになります

転 別視点

先入観もしくは周囲からの噂のみで、自分の行動を決定するのは良くありません。必ず自分に対して行われた善もしくは悪を理解してから、その人の判断をします。

先入観で判断した場合は、善でも悪でも、思わぬ被害を被ることがあります。

急がば回れ、という諺があります。急いで物事をなしとげようとするときは、危険を含む近道を行くよりも、安全確実な遠回りを行くほうがかえって得策だということです。先走る気持ちをこらえながら、機が熟してから物事を運ぶことが重要です。

結 まとめ

先入観もしくは周囲からの噂で、自分の行動を決定するのは良くありません。必ず自分の経験に基づいて判断します。

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