起 原文
處父兄骨肉之變 宜従容 不宜激烈
遇朋友交游之失 宜剴切 不宜優游
父兄骨肉の変に処しては、宜しく従容なるべく、激烈なるべからず
朋友交遊の失に遇いては、宜しく剴切なるべく、優遊なるべからず
父兄骨肉、父母や兄弟のような身内、骨肉とは骨と肉のような離れにくい関係;従容(しょうよう)、おちついた、ゆとりのある様子;交游(こうゆう)、「交友」よりも親しい交際、絆が深い関係;剴切(がいせつ)、意見などが非常に適切なこと;優遊、のんびりと心のままにするさま
承 意訳
父母兄弟の異変に関しては、慌てないでゆったりと対応すべきで、感情的になってはいけません
友人の過失に対しては、時期を逸せず適切に忠告すべきで、ゆったりとかまえてはいけません
転 別視点
自分のこと、身内のことになると、意外と客観的にみることができません。だからこそ、何か重大な異変が生じた際には、慌てずに感情的にならず、一呼吸おいてから対応すべきです。子供がピンチになったときに、感情的になってしまう親に対する戒めのようです。ゆったりと全貌把握にまずは努めます。
友人に対する注意喚起は、同様にゆったりと構えてよいかというと、そこは異なります。友人に対しては既に客観的に評価できていることがほとんどです。他人への注意は、その場その場で適切に(一対一で)喚起することが重要です。機を逸すると効果は限定的なことが多いです。
結 まとめ
身内の異変には慌てないで対応します。周囲への注意喚起はその場その場で機を逸することなく実施します。