前集061 学を志す者は一片の人間味あふれるユーモアを持つ

前集061-080

起 原文

學者有段兢業的心思 又要有段瀟洒的趣味
若一味斂束清苦 是有秋殺無春生
何以發育萬物

学者、段の競業的の心思有り、又段の瀟洒的の趣味あることを要す
もし一味斂束清苦ならば、これ秋殺有って春生無きなり
何を以てか万物を発育せん

段,一片の;兢業的(きょうぎょう)、営業上の競争;瀟洒的(しょうしゃてき)、俗っぽくなくしゃれているさま;斂束清苦(れんそくせいく)、余りに引き締め方が潔白過ぎて、何らの趣味もないこと

承 意訳

学を志す者は、常に一片の競業的精神を自ら戒めるようにし、一方では一片のしゃれた趣味があると良いです

もしも余りに潔白過ぎて何の趣味もないようであれば、秋に全て枯れ死してしまい、春に生命が生まれるような気配がないようなものです

こんな状態では何も生まれてきません

転 別視点

学問を志す場合に限らず、真面目一方ではなくユーモアのセンスが必要です。ユーモアがなければ、人間味がなくなり、人間味がなければ何のための学問なのかがわかりません。

逆に娯楽ばかりに内容の漫画であっても、ほんの一部に真面目な一理を説いた内容が盛り込まれればとても心に響きます。学も、心も、日ごろの行いも、一辺倒では画竜点睛を欠く状態なのでしょう。

結 まとめ

学問を志す際は目先の名誉・利益に拘ってはいけませんが、一片の人間味あふれるユーモアも必要です。潔癖過ぎてはつまらないものになってしまいます。

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