起 原文
待小人 不難於嚴 而難於不悪
待君子 不難於恭 而難於有禮
小人を待つは厳に難からず、しかもにくまざるに難し。
君子を待つは恭に難からず、しかも礼有るに難し。
待、待遇すること;恭、うやうやしいこと
承 意訳
小賢しい小人に対して厳しい態度をとることは簡単です。それよりも、罪を憎んで人を憎まずというように人を善道に導くようにしますが、これが結構難しい。
君子に対して恭しく謙遜な態度をとることは簡単です。それよりも、過度に恭しく接することは諂うことになるので適度に礼を尽くすようにしますが、これが結構難しい。
転 別視点
厳しくするときも、うやうやしくするときも、適度なレベルでとどめておく必要があります。自分の心に余裕がないと、大きくぶれてしまった経験があります。過度に厳しい姿勢を示すと、自分が聖人になったような錯覚を生じます。また、過度に諂うような態度は、相手が普通の人であれば喜ばす結果となり、悪い意味で幸せな雰囲気が醸し出されます。
中庸で留めておくことは、波風立たず順風満帆な生活に大きく寄与しますが、心のどこかで「波乱万丈」を求めている自分を発見することもあります。
結 まとめ
小賢しい小人には適度に厳しい態度で善道に導きます。君子の正しい行動に対しては適度に礼を尽くします。