起 原文
耳根似颷谷投響 過而不留 則是非倶謝
心境如月池浸色 空而不着 則物我両忘
耳根は颷谷の響きを投ずるに似たり
過ぎて而して留め不れば、則ち是非倶に謝す
心境は月池の色を浸すが如し
空而して着せ不れば、則ち物我両忘す
耳根(じこん)、耳の根、根は能生(物事の生じる本となるもの);颷谷(ひょうこく)、谷を吹き渡るつむじ風;
承 意訳
耳に入る雑音は谷のつむじ風と似ていて
過ぎて心に留めなければ良いも悪いも共になくなります
心に入る雑念は池に月が映るようです
心が空の状態になれば、物も我もその両者を忘れてしまう
転 別視点
世の中に起きる現象は全て実態(本質)ではないので、自分がそれに拘らなければ、流れていく流動的なものです
心の雑念を取り除けば、世の中の一つ一つの現象は気にならなくなります
結 まとめ
心の雑念を捨てることができれば、気楽に生きることができます