後集089 外見的な美しさよりも、内面的な充実を大切にする

後集081-100

起 原文

斗室中 萬慮都捐 説甚画棟飛雲 珠簾捲雨
三杯後 一真自得 唯知素琴横月 短笛吟風

斗室の中、万慮都て捐つれば、甚の画棟に雲を飛ばし、珠簾を雨に捲くを説かん
三杯の後、一真を自得すれば、唯だ素琴を月に横たえ、短笛を風に吟ずるを知るのみ

斗室(としつ)、極めて小さい部屋。一斗桝ほどの部屋;画棟(がとう)、彩色を施した棟木;珠簾(しゅれん)、珠玉で飾ったすだれ;三杯(さんぱい)、わずか三杯のお酒;素琴(そきん)、装飾、上塗りがほどこされていない木地のままの琴;

承 意訳

小さな部屋の中でも、全ての心配事をやめれば、華やかな棟木で雲を飛ばし、珠玉の簾を雨に捲くような豪華なことは必要ありません

少しのお酒を飲んで、真理を悟ったならば、月下に琴を奏で、短い笛を風を共に吹くことが最高の趣きであることを知ります

転 別視点

華やかな装飾よりは、少々のお酒と音楽が風情に溢れる、という解釈ができます。

外見的な美しさよりも、内面的な充実を尊重したいです。

結 まとめ

外面の豪華さ、美しさに目を奪われがち、でも本当に重要なのは自己の内面の充実です。

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