後集093 Simple is best!

後集081-100

起 原文

文以拙進 道以拙成
一拙字有無限意味
如桃源犬吠 桑間鶏鳴 何等淳龐
至於寒潭之月 古木之鴉 工巧中便覺有衰颯氣象矣

文は拙を以て進み、道は拙を以て成る
一の拙の字、無限の意味有り
「桃源に犬吠え、桑間に鶏鳴く」が如は、何等の淳龐ぞ
「寒潭の月、古木の鴉」に至っては、工巧の中、便ち衰颯の気象有るを覚ゆ

拙(せつ)、拙い、下手ながらに、小細工を用いない;桑間(そうかん)、桑畑の中に;淳龐(じゅんろう)、素直で味わいのあること;寒潭(かんたん)、深く澄んだ淵;衰颯(すいさつ)、おとろえること。衰微

承 意訳

作文をするときは、小細工をしないようにすると上達する、道徳を修めるには、近道を探したりしないことが肝要です。

「拙」の一文字には、無限の意味があります

「桃源郷に犬が吠え、桑畑にて鳥が鳴く」とは純朴で風情があります

「寒い澄んだ川の淵に映る月、枯れ木にとまるカラス」には、小細工が見え隠れして、今一つと感じます

転 別視点

自分では素晴らしいと感じている小細工も、別の角度から見るとうっとおしいだけの表現になっていることもあります。

本質を大切にして、素直な表現が人の心に訴えます。

結 まとめ

装飾品は最小限にして、シンプルに、純朴に。

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