起 原文
好動者 雲雷風燈
嗜寂者 死灰槁木
須定雲止水中 有鳶飛魚躍氣象
纔是有道的心體
動を好む者は雲雷風燈
寂を嗜む者は死灰槁木
すべからく定雲止水中、鳶飛び魚踊るの気象あるべし
わずかに是れ有道的の心体なり
定雲止水,定雲は一か所に留まる雲、止水は一か所に止まって流動しない水;有道、正しい道にかなっていること
承 意訳
俗事に奔走する人は、雲の間の雷のようにピカッと光ったと思えば忽ち消え、風の前の灯のように少しも当てになりません。
逆に静閑を嗜む人は、火が消えて灰になった枯れ木のように無欲・無心でじっとしています。
どちらか一方に偏ってはいけません。まず心を穏やかで静かに保ち、ときには鳶が高く飛び、魚が水の中を踊るような状態になることも必要です。“動”中“静”あり、“静”中“動”あり、の動静二面の修養ができてこそ正しい心の働きと言えます。
転 別視点
俗事にばかり走り回る人には、本当に重要なことは任せられません。その意味を理解してくれないような気がします。
イザというときでも枯れ枝のようなレスポンスの人には、一緒に物事を成し遂げようというモチベーションが湧きません。
普段は静かで、ときどき盛り上がる人は、人間としても興味深く、人気者になりそうです。
結 まとめ
静かな心と躍動する心の両者をバランスよく持ち合わせることが、正しい心の持ち方です。