後集077 死ぬときには、あらゆるものが無用なもの

後集061-080

起 原文

樹木至歸根 而後知華萼枝葉之徒栄
人事至葢棺 而後知子女玉帛之無益

樹木根に帰するに至って、而る後に華萼枝葉の徒栄なるを知る
人事棺を蓋ふに至って、而る後に子女玉帛の無益なるを知る

華萼(かがく)、花、花のがく;子女玉帛(しじょぎょくはく)、息子、娘、宝石、絹、子供や財宝

承 意訳

樹木は秋になって根っこばかりになったとき、花や枝葉が一時的なものだったと気づく

人間も棺桶に入るようになったとき、子供たちや収集した財宝が意味のないものだと気づく

転 別視点

樹木にとって、枝葉は翌年の活力を生むために必須なもので、落葉するのは冬の寒さを生き抜くためです

人間にとって、子供の存在は命をつなぐために必要な要素です。では財宝はどうなのか?

財宝だけは別物のような印象を持ちます

命をつなぐためにはいろいろなものがからみ、中には必須のものもあります。でも死ぬときには意味がなくなるので、執着しないように、という段落です

結 まとめ

死ぬときには、あらゆるものが無用なものとなります。執着することは意味がありません。

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