起 原文
悠長之趣 不得於醲釅 而得於啜菽飲水
惆悵之懐 不生於枯寂 而生於品竹調絲
固知濃所味常短 淡中趣獨真也
悠長の趣は、醲釅に得ずして、菽を啜り水を飲むに得
惆悵の懐は、枯寂に生ぜずして、竹を品し絲を調ぶるに生ず
固に知る、濃所の味は常に短く、淡中の趣は独り真なり
醲釅(のうげん)、「醲」「釅」どちらも「どろどろして濃い」の意。もとはそういう酒を示す;菽(しゅく)、豆のこと;惆悵(ちゅうちょう)、恨み嘆くさま;枯寂(こじゃく)、淡々としてものしずかなこと;竹、笛のごとく竹で作った楽器;絲、琴のような楽器
承 意訳
ゆったりとした趣は、濃厚なお酒では得られず、豆腐や水を飲むときに得られる
物の哀れを感じる心は、淡々とした生活からは生じず、笛を吹いたり、琴を奏でる中で生じる
確かに、濃厚な味はすぐに飽きるが、淡泊な美味しさは真の美味しさだ
転 別視点
人生の華美な部分は、一見重要な要素に見えますが、すぐに飽きます
質素な中での感情の高まりは本物で、それは真実です
料理でも、塩分の濃い料理は一時的には美味しく感じますが、それは味覚を強く刺激しているだけです
優しい刺激の中で美味しさを見つけたら、それが本当の美味しさということです
料理の話の方が、スーッと理解できます
結 まとめ
質素なシンプルライフで、本当の自分にとっても趣を感じとりたい