起 原文
事稍払逆 便思不如我的人 則怨尤自消
心稍怠荒 便思勝似我的人 則精神自奮
事やや払逆せば、便ち我れに如かざるの人を思へば、則ち怨尤自ずから消ゆ
心やや怠荒せば、便ち我れより勝るの人を思へば、則ち精神自ずから奮ふ
稍(やや)、だいぶ、ちょっと;払逆(ふっぎゃく)、自分の思いとは違う方向になること;怨尤(えんゆう)、恨み、咎め;怠荒(たいこう)、だらしなくなること
承 意訳
人生上手く行かないときは、更に逆境にある人のことを思えば、それほど恨みが積もることはありません
心が怠けてしまいそうなときは、自分よりも優れた人のことを思えば、自然と心が奮起します
転 別視点
「自分より下を見て安心する」という真実ではあるものの、なんとなくそれじゃダメだと思ってしまう事項です。しかしながら、うつ病になったりと病んでしまうくらいならこのような発想があっても良いのでしょう。
心に余裕がある人は、自分よりも優れた人をモデルケースとして奮起すると、より自分を高めることができます。奮起した自分を想像することができれば、充実した人生になりそうです。
結 まとめ
上には上、下には下が存在します。下を見て不平を減らし、上を見て向上心を起こします。視野を広く保ち、自分を客観的に眺めて、最善を尽くす。