前集217 何かに取り組むときは、とことん真剣に取り組み本質を見極める

前集201-220

起 原文

善讀書者 要讀到手舞足蹈處 方不落筌蹄
善觀物者 要觀到心融神洽時 方不泥迹象

善く書を読む者は、手舞ひ足蹈む処に読み到らんことを要す
方に筌蹄に落ちず
善く物を観る者は、心融け神洽ぐの時に観到らんことを要す
方に迹象に泥まず

筌蹄(せんてい)、ものを捕える道具で、目的を達したあとは不必要となるもの;洽(やわら)ぐ、柔らぐ;迹象(せきしょう)、物の表面的な様子;泥(なじ)む、馴染む

承 意訳

書物をじっくりと読む者は、書物の言わんとすることを理解するに従い心躍りる状態になることを要します

そこまでになると、表面的な文字には囚われなくなります

物をじっくりと観察する者は、その物体の真相を理解し心が同化する状態になることを要します

そこまでになると、物体の表面的な状態には関心がなくなります

転 別視点

書物であっても、物体であっても、それが人間であっても、真に何者であるかを理解するようにします。理解することができれば、表面的な状態はどうであっても関係ない心境になります。

結 まとめ

何かをするときは、とことん真剣に取り組み物事の本質を見極めます。

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