起 原文
作人無甚髙遠事業 擺脱得俗情 便入名流
為學無甚增益㓛夫 減除得物累 便超聖境
人となりて甚だ高遠の事業なきも、俗情を排脱し得ば、すなわち名流に入る。
学を為して甚だ増益の工夫なきも、物累を減除し得ば、すなわち聖境に超ゆ。
承 意訳
立派な人物になり高遠な事業を成し遂げなくても、名利・利益の俗情を排除できれば、既にその人は名士ということができます。
学問の修行をして、著しい修行鍛錬をしなくても、物欲に心を惑わされなければ、既にその人は聖人の域に入りつつあります。
転 別視点
立派な政治家になるには、名利に対する俗情を捨てることがその業績よりも重要で、学問を究めるには、物欲を捨てることがその業績よりも重要と、出来上がったものよりは、その過程における心持ちの重要性を述べています。
心持ちだけでは一流とは言えないとしても、「心持ちがあれば一流の業績が出来上がる」と予測することもできそうです。
結 まとめ
何かで道を究めようとする際は、業績を上げようと欲をだすのではなく、俗情を排して純粋な心で取り組むことが重要です。