前集008 人の上に立つ人は「閑の中に緊」「忙の中に閑」を見出す

前集001-020

起 原文

天地寂然不動 而氣機無息少停
日月晝夜奔馳 而貞明萬古不易
故君子 閒時要有喫緊的心思 忙處要有悠閒的趣味

天地は寂然として動かず、しかも気機は息むことなく、停まること少し。
日月は昼夜に奔馳す、しかも貞明は万古にかわらず。
故に君子は、閒なる時に喫緊的の心思あることを要し、忙処に悠閒的の趣味あるを要す。

承 意訳

天地は状態は寂然として静かに動かないように見えますが、天地の活動は一時も留まることはありません。

太陽や月は、昼夜を問わず動いていますが、その明るさはいつまでも変化しません。

そのような理由で、人の上に立つ者は、暇な時こそ緊急時の対応を心がけ、忙しい時こそ余裕綽々たる一面が必要です。

転 別視点

ニュートンが「地動説」を唱えたのは1687年です。それまでは西欧では、地球を中心に太陽と月が回っていると考えられていました。中国においても洪自誠の時代は「天動説」がメインだったようです。そうなると、太陽も月も忙しく地球を回っていたと考えられていたのでしょう。現在の地動説になっても、結局は太陽と月は忙しく動いていることは同じで変わりはありません。

結 まとめ

人の上に立つ人は、周囲に流されずに、「閑の中に緊」「忙の中に閑」を見つめる姿勢が必要です。

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