起 原文
節義傲青雲 文章髙白雪 若不以徳性陶鎔之 終為血氣之私 技能之末
節義青雲に傲り、文章白雪よりも高きも、若し徳性を以て之を陶鎔せざれば、終に血気の私、技能の末と為る
節義、人としての正しい道をかたく守ること;青雲、立身出世して高い地位につこうとする功名心;傲る(おごる)、おごりたかぶる;白雪(はくせつ)、琴曲、春秋時代の普の楽官師礦の作品、高尚な曲の代表;陶鎔(とうよう)、だんだんと徳性を磨き上げること
承 意訳
人としての正しい道への志がとても素晴らしかったり、高尚な曲「白雪」のような格式高い文章であっても、その人自身が徳性を磨いたものを持ち合わせていなければ意味がなく、小手先の技にしかなりません
転 別視点
外面的に素晴らしい行動や高尚な言葉であっても、その内面に人徳が備わっていなければ我田引水になってしまうので、まずは自分の徳を磨くことを優先するべきという内容です。
「立場や役割が人を作る」と言いますが、外見的な要素が強調されているようです。この諺の本質は、立場が指導的な位置に就いたならば、部下を持つようになり部下の心情を考えるようになり、人としての徳性を磨き、成長するということなのかもしれません。
どのような環境の変化であっても、自分を徳性を磨くことを優先的に取り組むと物事がうまく行きそうです。進学、就職、転職など、人生の節目の際に思い出したい考え方です。
結 まとめ
正しい道への志や高尚な言葉よりも、まずは人としても徳性を磨くことが最優先です。環境の変化に際しては、自分の徳性を磨くことに主眼を置きます。