前集129 思慮深さと未来への推察はバランスよく心に持つ

前集121-140

起 原文

害人之心不可有 防人之心不可無 此戒疎於慮也
寧受人之欺 毋逆人之詐 此警傷於察也
二語竝在 精明而渾厚矣

人を害するの心は有るべからず、人を防ぐの心は無かるべからず、此れ慮りに疎きを戒むる(いましむる)なり
寧ろ人の欺きを受くるも、人の詐りを迎ふることなかれ、此れ察に傷るるを警むる(いましむる)なり
二語並び存せば、精明にして渾厚ならん

防ぐ、他人から加えられる害を予防すること;慮り(おもんばかり)、配慮;察、明察、見通すこと;傷る(やぶる)、徳を傷つけ破ること;精明、思慮のはっきり明らかなこと;渾厚(こんあつ)、徳行の渾然として厚いこと

承 意訳

「人に害を加えるような気持ちを持ってはいけませんが、人からの危害を予防する気持ちは持つべきです」という言葉は、思慮の浅い人を戒めするものです

「人からの欺きを受けることがあっても、人からの詐りを予測するようなことはいけません」という言葉は、未来を予測しすぎて失敗する人を戒めるものです

この2つの戒めをバランスよく心の中に備えれば、思慮が明確で、徳行を積むことができます

転 別視点

周囲を傷つけないようにと思慮深くし過ぎると、自分が必要以上に傷ついてしまい、最終的には世のためになりません

未来での不安を予測し過ぎて、奥手になり過ぎてしまうことは、結局自分のためになりません

思慮深さと未来への推察はバランスよく検討するのが良いでしょう

結 まとめ

周囲に対する思慮深さと未来への推察はバランスよく心の中に持ち合わせるようにしましょう。

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